熊本大学病院小児在宅医療支援センターを視察しました
2020.09.23
視察日:2019年9月 視察場所:熊本大学病院小児在宅医療支援センター
熊本大学病院小児在宅医療支援センターは、熊本大学病院内に設置された医療的ケア児支援の専門窓口です。センターには、医師、保健師、助産師、看護師、理学療法士、社会福祉士の資格を持つスタッフがいます。熊本県内全てを事業対象としており、事業内容を大きくわけると相談窓口の設置、医療的ケア児の保育・教育の支援、医療的ケア児に関わる人材育成があります。また、熊本県では、県教育委員会と医療機関が連携し、学校看護師の派遣事業も行っています。
センターの活動について
・医療的ケア児の支援については、各地域の保健師や保護者、児の主治医とも情報交換を行いながら進めている。
・医療的ケア児の保育・教育支援では、行政機関との調整、児が入る保育・教育機関に出張して実際にケアを担当する看護師と連携している。
・人材育成では、教員・看護師・福祉職・保育職を対象として、センターのスタッフが各地域で緊急時の対応や日頃のケア、リハビリに関する研修を行っている。
市・県の活動について
・熊本市の教育委員会には、豊中市と同じように、調整役の看護師がいる。
・県教育委員会が主体となっている「ほほえみスクールライフ支援事業」は、県教育委員会が医療機関と委託契約を結び、その医療機関から医療的ケア児が通う特別支援学校に学校看護師を派遣し、ケアを行うというシステムである。
・医療機関から学校看護師として派遣される看護師は非常勤のため、学校が長期休業のときは、看護師も休みとなる。
・学校看護師は、医療的ケアのみを行う。
・安全に学校でのケアを行うために、平常時の状態(バイタルサイン、吸引頻度、発作の様子など)が記載されたシートがある。
・複数の学校看護師がローテーションで校内の全ての医療的ケア児をみている。
・ローテーションでケアに入ることで、情報共有や看護師の負担軽減にもなる。
・呼吸器管理を担当する看護師は、その責任の重さから時給が少し高い。